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2025.02.12 Wednesday
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今は弊屋、ラピスラズリの花束を
2008.12.01 Monday
崩れ出す世界。
崩壊は望まずとも来る物だ。
私はあの日から見えない貴方を見つめ、黒服を脱げ無いでいる。
「bon soir」
誰も応えない。それもそうだ、此処には誰も居ないのだから。静かに扉を開く。裾の長い礼服が冷たい風に靡いた。
カツン カツン
温度の感じられない空間に、私の靴音だけがこだまする。目許を覆うヴェール越しにも分かる荒廃。元々人が住む気配に乏しかったのに、今は唯の廃墟だ。崩れてしまっている扉を跨ぎ、ある部屋に入る。
何も、無い。
いつも彼が座っていたソファーには居た誰の痕跡も、いつも華麗に動き回っていた彼女達の痕跡も無かった。かろうじてまともな形を残す窓を開く。瑠璃色の空。夜に近い時間。
「au revoir」
今は亡き彼に捧ぐ、美しき空。生まれて来る朝、死んで逝く夜。それが必然ならば、私は唯有るがままに。決して終わりは始まりではないけれど。
黒服は貴方に、花束は私に。
廻る想い、其れが私の物語。
テスト勉強まじむりなんだが
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